UNICEF日本人職員

UNICEF日本人職員の講演

UNICEF日本人職員メディア掲載

UNICEF日本人職員インタビュー

 

第6回 JPOとしてUNICEF南スーダン事務所に派遣予定 幸村真希

© Maki Komura
コートジボワールにて、ヘルス・センター視察中の様子。助産師、看護師とその家族。

 Q1. これまでの経歴を簡単に教えてください。

大阪大学大学院で子ども兵をテーマに研究し、国際公共政策修士号を取得。在学中UNICEF東ティモール事務所でインターンシップを経験。卒業後、国際協力NGO ADRA (Adventist Development and Relief Agency) Japanに勤務し、主に南スーダン駐在員として帰還民の生活再建事業を担当。その後、外務省の平和構築人材育成事業に参加し、UNICEFコートジボワール事務所でエイズ対策・青少年支援のモニタリング評価と報告書作成に従事。20153月現在、2014年度JPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)として、UNICEF南スーダン事務所へとして派遣予定(役職:計画・モニタリング評価担当官)

Q2. 国際協力の仕事に興味を持ったきっかけは?

大学時代は中学校の教員になりたいと思っていました。当時頻発していた少年犯罪に強い危機感を感じ、せめて自分の生まれ育った地域ではそのようなことが起きないよう、日々子どもと交わる職業に就きたいと考えたからです。しかしあるとき、世界にはより厳しい環境で今日か明日かの命を生きている子ども達がいると知りました。世界に存在する不平等に納得がいかず、そのような現実に対して自分が何もせずにいるのも嫌でした。こうして国際問題、とりわけ子ども兵の問題に関心を持つようになりました。子ども兵は武器を手に人を傷つける加害者ですが、そのような境遇に追いやられた被害者でもあります。私にとってはその構図が少年犯罪と同じに見えました。このような思いから、紛争の影響を受ける子どもの保護に取り組みたいと、国際協力の仕事に興味を持つようになりました。

Q3. JPOに合格したのは、何が評価されたからだと思いますか?

JPOに合格できたのは、NGOでの現場経験と、インターンや国連ボランティアとしてUNICEFの実務について知る機会があったからだと思います(※注)。まず、3年間のNGO勤務では、南スーダン、ミャンマー、ハイチといった緊急人道支援の現場に携わりました。これにより、難しい状況でも業務を遂行できたことや、国際協力の仕事に対するモチベーションの高さを示せたと思います。また、UNICEFNGOとパートナーシップを築いてプロジェクトを実施するため、NGO側の視点を理解しているのは強みになると思います。さらに、南スーダンの現場で約20名のチームを指揮した経験を通じて、ヒト・モノ・カネがそろって初めて支援を届けられるということを学びました。UNICEFは大きな組織ですが、各部署の担う業務が一つになってようやくものごとが動くということに変わりはありません。このように組織の機能を全体として把握するのは非常に大切だと思います。次に、これまでインターンや国連ボランティアとしてUNICEFと関わったことで、UNICEFの役割やプログラム・サイクル、実務上のガイドラインやツールについて知ることができました。まだまだ学ばなければならないことは多いですが、これらの基本的なノウハウはJPOとして新しい事務所で勤務する上でも役立つと思います。

※注 JPOに合格した要因についてのコメントは、あくまで本人の推察です。多様な強みをもった人たちがJPOとして国際機関で働いています(詳しくは外務省国際機関人事センターのHPへ:http://www.mofa-irc.go.jp/index.html)。

Q4. 今までの経験で、思い出に残っていることはなんですか?

もっとも印象に残っているのは、NGO職員として南スーダンのへき地の村に2年間駐在をしたことです。その村は小型飛行機で首都から2時間のところに位置していますが、雨季になると文字どおり「陸の孤島」となります。数ヶ月にわたり降り続ける雨によって周辺の道路は水没し、舗装されていない滑走路もドロドロになって飛行機が離発着できなくなります。村には電気・水道・ガスはなく、雨季の肌寒い日でも水を浴び、食事のメニューは葉っぱと豆とチキンの繰り返し。過酷な生活環境で心身の健康と安全に気を使いながら、現地スタッフに1から仕事を伝え、次々と起こる問題に対処していく。日々の業務をこなすのが精一杯で、人との衝突や失敗も経験しました。それでも国際協力の最前線にいたことで、村人に起こった小さくても前向きな変化を見て取ることができ、逆に私も彼らから、何があっても生き抜くたくましさなど、大切なことを学びました。掛け替えのない思い出です。

Q5. 今後への抱負

JPOとして着任予定の南スーダンは、長い紛争の末20117月に独立を果たしましたが、201312月に国内で対立が再燃し、情勢は悪化してしまいました。以前NGO職員として勤務していたときは、長かった紛争が和平合意を迎え、祖国に帰ってきた難民(帰還民)の生活再建を支援していました。いま彼らは再び難民となり、かつてともに働いた現地スタッフも同様の状況にあります。南スーダンは私にたくさんのことを教え、成長させてくれました。その国でもう一度働くチャンスを手にして、少しでも役に立てればと心から願っています。JPOとして従事する予定の「計画・モニタリング評価」という役職では、活動の成果をはかり、残された課題を明らかにし、次の戦略や活動計画の策定につなげるために、データの収集・分析などを行ないます。コツコツと地道な作業も多いと思いますが、限られた予算を効果的・効率的に使って公平性を実現するために重要な任務です。南スーダンの子ども達が笑顔を取り戻せるように、全力で業務に当たりたいと思います。


インタビュー日本人職員トップページへ戻る>> 

© Maki Komura
2011年南スーダンにて。当時所属していたNGOがWFPのパートナーとして実施していた小学校給食支援 (Food for Education) の視察中の様子。

 

 
unite for children