ニュース・活動

【ニュース】

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

~2010

【ビジビリティ・イベント・活動】

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

 

【2月18日】ヨルダン: ユースが担うヨルダンの未来!~ボランティア・社会参加促進事業の現場から~

 

(ボランティア証書授与式に参加したヨルダンの若者)

2019年2月18日ヨルダン発

30歳以下の人口が全体の70%近くを占めるヨルダンでは、大学を卒業しても安定した職に就くことは難しく、30歳以下の若者の失業率は30%以上にのぼります。失業率が高い理由の一つに、大学で学んだことと実際に仕事で必要とされるスキルの間の大きな乖離が挙げられます。そういった若年層の失業問題の緩和のため、日本政府の支援を受け、UNICEFヨルダン事務所はボランティア活動への参加を希望する若者たちとヨルダンの企業や団体をつなぐオンラインのプラットフォームを立ち上げ、若者の参加と雇用を促進しています。若者の社会参加の促進や社会で働くために必要とされるスキルを身につける機会を提供することで、若者の自立支援を目指しています。

若者が自分の関心のある分野や、既に持っている自身のスキルや専門性を活かせる分野でのボランティア活動を見つけるため「Nahno(アラビア語で“みんな”という意味)」というボランティア・マッチング・ウェブサイト(アラビア語)が昨年12月に新設され、2018年度は、事前登録を含めて約7,000人がウェブサイトに登録し、その多くがボランティア活動に参加しました。また、オンラインとは別に2万人近くが学校を通じてコミュニティサービスなどのボランティアを行いました。

「このボランティアに参加したおかげで障がいを乗り越えることができた。」

アンマンにあるランドマークホテルのレストランで、見習いシェフとしてボランティアに参加したオデイ(24)は生まれつき発達障がいを持ち、人とコミュニケーションを取ることが苦手でした。クラスメイトと比べて理解する速度が遅く、学校の授業についていけないこともありました。これまで様々な困難を乗り越えてきた彼の夢は障がいを持った人でも働くことのできるレストランを立ちあげること。UNICEFの紹介により始めたボランティア活動 はオデイにとって、夢を叶えるための大きな一歩となりました。

「料理を通して、自分と同じように障がいで苦しんでいる人にメッセージを伝えたいです。」とオデイは語ります。言語障がいを持つ彼にとって、料理はコミュニケーションの手段の一つ。「一番伝えたいのは、今自分の境遇に苦しんでいたとしても、未来は明るいということです。自分がこのボランティア活動を通じて変わることができたように、すべての人に解決策はあると思っています。」

オデイははじめの頃、仕事場で上司や同僚と上手くなじむことができませんでしたが、ある出来事をきっかけに上司からの信頼を得ることができました。「ある日、同僚がアップルパイについて話しているのを耳にしたので、りんごや砂糖の用意を始めました。指示をされる前に材料を机に並べているところを見て、上司はとても感心していた様子でした。それ以降、上司と同僚は以前に増してわたしの仕事を認めてくれるようになったと思います。その時はとても嬉しかったです。」とオデイは振り返ります。

2カ月間のボランティア活動をやり遂げたことは彼にとって大きな自信となり、また自尊心も育まれました。「自分の仕事に対して報酬 が支払われることで*、今まで頼ってばかりだった家族を支えることができている。もう自分は無能ではないんだと感じられるようになりました。」とオデイは言います。現在オデイはコミュニケーションで困ることがほとんどありません。大学では、調理学を勉強する傍ら、友人と共に障がいを持った人に楽器を教えるというボランティア活動を行っています。

ファラ(24)もボランティア事業に参加したうちの一人。

大学卒業後、すぐに職が見つからず、ボランティアやインターンシップの機会を探していました。「ヨルダンは就職の機会が少なく、卒業後すぐに安定した職に就くのがとても難しいです。特に女性のほうが社会参画の機会は少ないと思います。」と語ります。世界銀行の最新のデータによると、ヨルダンは女性の労働参加率において、イエメン、シリアに続き世界で3番目に低いことが分かっています。

ファラはアウトリーチ・キャンペーンのチームの一員として、民間企業などにUNICEFが支援しているボランティア事業を紹介するための電話によるアウトリーチ・キャンペーンを行っていました。複数人をまとめるチームリーダーに抜擢された後は、通常の業務に加え、チームメンバーの役割分担やモチベーションの管理なども行いました。「このボランティア活動を通じて、自分のコミュニケーション能力が上達したと感じます。仕事を通して沢山の人と関わるうちに、初対面の人と話すとき、あまり緊張せず話せるようになりました。また、何かトラブルがあった時に、感情的にならずに対処法を見つけることができるようになったと思います。ボランティアの経験を通じて、社会で働くためのスキルを身につけることができ、感謝しています。」

UNICEFは民間セクター等を含めたグローバル・パートナーシップの下、2030年までにすべての女性と男性、両方の若者に対し、教育、技能訓練、雇用の機会を確保することを目標にした「Generation Unlimited(無限の可能性を秘めた世代)」というイニシアチブを立ち上げました。若者の就労の機会を増やすことは、その国の貧困問題解決にも繋がります。

ヨルダン事務所が力を入れている「若者のボランティア・社会参加促進事業」もGeneration Unlimitedのコンセプトを踏襲し、ヨルダンの若者に学ぶ場を与えることで就労準備を支援しています。2018年に始まったこの若者のボランティア・社会参加促進事業は、日本政府の支援により立ち上げることができ、 2年目に入った今年もより多くの若者が参加することが見込まれています。ヨルダンの若者に代わって、日本政府にお礼を申し上げます。

*ボランティアは無報酬が基本だが、受け入れ先の判断により手当や交通費が支給されることがある。

【関連ページ】

Generation Unlimited(無限の可能性を秘めた世代)とは?(英語)

日本政府のヨルダンにおけるUNICEF支援事業

 

 
unite for children