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【7月26日】日本の高校生・大学生がUNICEF幹部職員と公平性をテーマに対話 よりよい世界のために、若者ができること

 

2018年7月26日東京発

来日したUNICEF本部の幹部職員が、7月26日(木)、日本の高校生・大学生計23名と、東京大学の駒場キャンパスでの対話イベントに参加。集まった若者たちと、「公平性」をテーマに活発な議論を繰り広げました。

UNICEFは世界中で、若者が直面する問題に取り組んでいます。また、若者たちの声に耳を傾け、意見を取り入れ、参画を推進するなど、若者たちと連携した様々な取り組みを展開しています。本イベントでは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標10に掲げられている「人や国の不平等をなくそう」をテーマに、世界や日本の社会課題に対する取り組みや問題意識について、若者とUNICEF幹部職員が語り合い、共に考える場となりました。

若者たちから学びたい
ニューヨーク本部保健セクションチーフのステファン・ピーターソンは開会挨拶で、「不平等の状態には様々な側面があり、富裕国と貧困国といった国と国との格差はもちろん、一つの国のなかで富裕層と貧困層との格差も存在している。『誰もとりのこさない』という目標を掲げるSDGsを達成するには、貧困に苦しむ国と、貧困に苦しむ層の両方に取り組まなくてはならない」と訴えました。そして、2030年までにSDGsを達成するためには創造性に富む若者の力が必要、今日は若者のみなさんからいろいろと学びたい、と熱意を述べました。

また、外務省の甲木浩太郎・地球規模課題総括課長は、日本政府とUNICEFとの年次政策協議で話し合ったことの一つとして、若者との協力関係強化を挙げ、「日本政府としてSDGsを促進するためには、次世代のみなさんの力が必要です。若者のみなさんは、社会をよりよくするためのクリエイティブな方法やアイディアを考え出すことに秀でています。若者との協働に関して豊富な経験があるUNICEFと協力していきたい」と述べられました。

日本の学生たちの取り組み発表


冒頭では、日本の学生たちが、社会貢献活動やUNICEF支援の取り組みを紹介しました。最初に発表したのは、全日本大学サッカー連盟の町田佳穂さんと佐川貴子さん。「人や社会のために、学生自らができることから行動し、誰かの光となれるように」という想いを込めたHIKARIプロジェクトについて活動を報告しました。また、連盟が主催する全国大会にて、1ゴールにつき連盟が500円を寄付する「ONE GOAL ONE COIN」というUNICEF募金の取り組みや、昨年10月15日の「世界手洗いの日」、11月19日の「世界トイレの日」に行ったTeam UNICEF企画も併せて発表しました。

続いて、東京大学の学生団体UNiTeのメンバー、横山果南さんと田村明日香さんが「Empower Project」について紹介しました。助けを必要としている人と、困っている人の力になりたい人とをつなぐ「マゼンタ・スター」のマークや、他団体や企業などとのコラボレーションの事例が紹介されました。マゼンダは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標10のロゴに用いられている色です。昨年東大で行われた「UNICEFウィーク」でも、「Empower Project」のマゼンダ色と、UNICEFのロゴに用いられているシアン色との2色の灯篭が、駒場キャンパス構内を彩りました。

UNICEFはあらゆる年代の子どもたちのために活動
次に、UNICEF公的パートナーシップ局長 カーラ・ハダッド・マルディニから、UNICEFが世界中で促進している若者たちとの共創と、厳しい状況にいる若者たちに対する支援の重要性について、発表しました。UNICEFは、幼い子どもたちが命を落とさず、健やかに成長するための支援はもちろんのこと、若者が教育を受け、社会で活躍できるようにする支援も行っていることを強調し、特に難民・避難民、移民といった厳しい状況に置かれた子どもや若者への支援、女子教育の重要性に言及しました。

そして、若者抜きでは、SDGsの達成はできないとし、UNICEF事務局長ヘンリエッタ・フォアの指揮のもと、UNICEFが若者との共創にこれまで以上に取り組んでいくことを訴えました。そして、2030年までに「すべての若者が、教育、職業訓練、あるいは雇用されている世界」の実現に、日本の学生のイニシアティブもぜひ貢献してほしい、と期待を込めました。

ミャンマーでの若者に関する取り組み

続いて、UNICEFによる若者との取り組みについて、UNICEFミャンマー事務所の功刀純子代表がミャンマーでの事例を報告しました。若者たちの参画、能力強化をすすめているミャンマー事務所では、国内で2万人が登録するU-Reportを活用して若者へのアンケートをおこない、若者たちの声を拾い上げるとともに、若者たちが直面している問題の把握に役立てています。たとえば、「政府が若者についての政策を建てることが重要」に同意したのは回答者の90%以上、「女の子への暴力はコミュニティの課題」に同意したのは回答者の91%に上りました。若者たちが声を上げる場所となるオンラインプラットフォーム「Voice of Youth」ミャンマー版の立ち上げも発表し、若者との取り組みをますます促進していくと、語りました。

ディスカッション

ディスカッションの時間は、不平等をなくすために若者としてどのような行動が必要か、UNICEFとどのような活動をしていきたいか、という問いかけに対して、学生たちから次々に質問が寄せられました。

若者ができるアクションは?
世界では教育を受けられない子どもたちがいることに触れ、「若者ができるアクションとして、たとえば各国政府に働きかけたりすることが重要なのか、あるいは、草の根運動のような取組みをすべきなのか、どちらに優先をおくべきか」という学生からの問いかけに対し、マルディニは「両方の組み合わせが必要ではないか」とし、「変化が起きる時は、その声が届いた時です。今はソーシャルメディアやテクノロジーの進歩のおかげで、声が届きやすくなっています。若者の声には、大きな意味があり、みなさんが世界に向けて声を上げる方法を模索していくことが、変化につながるかもしれません。簡単なことではないかもしれませんが、実際に変化が起きた時、その力が見えてくると思います」と話し、語ろうということが大事、と強調しました。

さらに、ミャンマー事務所の功刀代表は、「政策提言として、私たちは政府に働きかけをおこなっています。若者一人ひとりの声は意味のあるものです」とつけくわえました。

UNICEFのアジェンダは「子どもの最善の利益を考える」
また、世界中で多くの子どもたちが厳しい状況に置かれている中、UNICEFが支援する国や地域の政府に対して、どのような働きかけをし、どのような支援をしているのか、という質問に対して、UNICEF中東・北アフリカ地域事務所代表のヘルト・カッペラエレ代表は、「私が勤務している中東では、シリアやイエメンなど、紛争が続いている国々もあります。けれども、UNICEFにはひとつのアジェンダがあります。それは、『いかなる時であっても、子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)を考える』というものです。紛争が起きている国も含め、いかなる国の政府であろうとも、子どもたちの最善の利益を行動の中心に据えていない場合、UNICEFは可能な限りあらゆる手段を駆使して、厳しい状況にある子どもたちの声を届け、子どもの保護を訴えています。また、人道支援のための停戦を呼びかけ、わずか数日間の停戦の間に、子どもたちの予防接種や命を守る支援を届けている、と話しました。

人生は旅、レシピはない

「私はたくさんのこと、様々な社会問題に関心があります。先生には一つに集中した方がいいと言われますが、一つに絞ったら他のものは無視するべきなのでしょうか。あなた方が若者だったとき、将来にこれをしようとか、一つに絞ることができましたか?」と問いかける学生もいました。

マルディニ局長は、「私自身の人生を振り返ると、これまでの出来事は糸でつながっているように思えます。一つの道があるわけではなく、こうすれば良いというレシピがあるわけでもありません。でも、ひとつの課題に目を向け、それに集中することで、次への道が開けると思います。ひとつ抜けたら、それがどこかに繋がっている、人生はそういう旅なのだと思います。私たちは毎日学んでいますし、これからも人生をかけて学んでいきます。あなたも、きっと、後から振り返った時、それまでの事が糸でつながっていたと分かるのではないかと思います」と力強く伝えました。

また、ピーターソン・保健セクションチーフも付け加えて、「昨年亡くなった私のメンターが、キェルケゴールというデンマークの哲学者の言葉を教えてくれました。『自分の人生を前向きに進んでいかなきゃいけない、理解は振り返った時にしかできない』という言葉です。あなた自身の心の声に従って、一生懸命やること、集中することを、アドバイスしたいと思います」と語りました。

小さな取り組みが、大きな変化につながっている

最後に閉会の挨拶として、カッペラエレ代表が、次のように若者たちに語りかけました。

「今日は沢山のエネルギーを感じました。地域の中で変化を促す力だけでなく、世界で最も虐げられている子どもたちのために使えるパワーを感じました。UNICEFはSDGsの達成に本気で取り組んでいます。その達成のためには、みなさんのパワーが必要なのです。

冒頭のプレゼンテーションで、学生のみなさんが、UNICEFへの募金を集めてくださったことを報告してくださいました。みなさんの活動は、規模の大小にかかわらず、その一つ一つに大きな意味があります。どうか、みなさんがしてくださっている活動が小さなものだなんて、決して思わないでください。みなさんが一生懸命集めてくださった募金は、その1円1円が、世界の最も苦しい立場にいて最も支援を必要としている子どもたちへの支援活動を支えています。みなさんが取り組んでいる一つ一つのイニシアティブが、世界の多くの子どもたちの大きな変化に繋がっているのです」

対話イベントを終えて
昨年に引き続き本イベントの運営に協力くださった、東京大学教養教育高度化機構国際連携部門の井筒節特任准教授は、「昨年は東京大学の学生たちだけだったのが、今年は他大学や高校生が参加し、省庁の方々など、とても多様な集まりになった。学生たちが発表した活動に対して、UNICEFの方々がコメントをしてくださったり、インスパイアしてくださったりしてとても有難かった。これまでも、UNICEFを介して若者同士が知り合い、コラボレーションを生んでいるので、今日の場が、世代を越えた協働の機会を生む場になればいいなと思いました」と語りました。

対話イベントに参加した東京大学・岡俊輔さんは、「国連機関で働く方々と直接話す機会は滅多にないので、積極的に質問した。将来、UNICEFや他の国際機関で働けたらと思う。今日学んだこと、UNICEF職員の方のメッセージを、今後に活かせれば」と語りました。他にも、「UNICEFの活動だけではなく、日本の学生がどんなふうに草の根の活動をしているのかを知ることができてよかった」、「UNICEFで働いている方自身が、社会的な問題、子どもや若者の問題に対してどのように考えているのか、どのような気持ちで臨んでいるのかを知ることができて本当によかった」という声が聞かれました。

また今年は、次世代を担う高校生も4名参加しました。玉川学園高等部のベムリ・ハルシュさんは、「格差はすぐに埋められるものではなく、経済成長を遂げた国においても、その恩恵を受けている人と受けていない人との差が大きいと思う。各国の人々自身が、自分たちの社会が公平になったなと感じられるようにすることが大切。だから、先進国によるトップダウン型の支援ではなく、各国の若い人たちが主体となって、自分たちが望む結果を作れることが、公平性の意義なのかなと思います。若者が必要だと思うことをおとなが勝手に決めるのではなく、若者たちの声を聞くという今回のイベントのような機会も、とても大切だと思います」と語りました。

また、御茶ノ水女子大学付属高校の上田萌香さんは、「UNICEFの職員から、発展途上国と先進国との格差があるという話を聞いた。学校でもそういうことを議論する機会があるが、私は『消費者側が消費する時の責任」が大きいと思っている。こういう問題をもっと知っていきたいと思ったし、そういった問題を発信していける立場になれたらいいなと思う」と語りました。

若者たちの声を反映する
今回の対話イベントの中で、「Nothing About Us Without Us」という言葉が、UNICEF側からも、若者たちからも多く用いられました。「Nothing About Us Without Us」(私たちのことを、私たち抜きに決めないで)という言葉の通り、UNICEFは、子どもたちや若者のことをただ支援の対象として見ているのではなく、彼ら自身が社会を変えていく力を持っているパートナーだと考えています。そして、各国政府に向けて、政策に子どもや若者の声を反映するように働きかけてもいます。

世界では今、紛争や自然災害が各地で頻発し、貧困や不平等などの社会的課題が蔓延する中、解決すべき課題は山積しています。公平性を推進し、すべての人が健やかで幸せに生きる世界をつくるためには、従来の考えにとらわれることのない若者の力が、今後ますます必要となってきます。今回の対話イベントでは、学生たちから多くの質問が出され、様々な意見が飛び交いました。今日の場に居合わせた若者同士のコラボレーションも、近い将来に生まれるかもしれません。SDGsが目指す世界、さらに、その先の世界をよりよいものにするべく、UNICEFは、これから一層、若者とのパートナーシップを強化していきます。

※本記事は日本ユニセフ協会によって執筆されました。

【26 July】Japanese youth excited, empowered to reduce inequality- Dialogue event with UNICEF senior officials and Japanese youth

 

 
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